数学におけるパラドックス集

数学におけるパラドックス集

こんにちは。

今回は皆さんの直観と事実が異なるいわゆる数学のパラドックスについていくつか紹介したいと

思います!

パラドックスとは正しいと思われる前提と妥当と思われる推論から、にわかには信じがたい結論が得られることを言います。

言い換えれば直観に反した結論が出るということです。

①誕生日のパラドックス

皆さんは小学校のクラスなどで同じ誕生日の人を見つけようとしたりしませんでしたか?

小学校では生徒全員の名前が誕生月の順番で貼られていたりしますよね。

今はあるかわかりませんが。

誕生日のパラドックスとはそんな誕生日に関して直観に反する非常に面白い結果が出る例のことです。

では早速、誕生日のパラドックスについて見ていきましょう。

まず、小学校の1クラスが40人とするとこの中で自分と誕生日が同じ生徒が存在する

確率はどれくらいでしょうか?

まず1人で考えます。すると、365日どれでもいいので

確率は365/365=1となります。

次に2人で考えます。

2人のときからはまず全員の誕生日が違う確率を考えます。

2人の誕生日が異なるのは最初の人と誕生日が異なるときなので364/365となります。

よって一致する確率は1-364/365となります。

次に3人の場合

3人の場合は2人目、3人目とも1人目と違う場合なので確率はどちらも364/365となります。

よって1人目と誕生日が一致する確率は1-364/365*364/365となります。

なので一般にn人のとき誕生日が一致する確率は

1-(364/365)^n

となります。

nが40のときは40を代入すると約0.1=10%となります。

よって40人のクラスで自分と誕生日が同じ人がいる確率は1割ほどとなります。

どうですか?一致する確率は予想より高かったでしょうか?

さて、今度は小学校の1クラスが40人とするとこの中で誕生日が同じペアが存在する

確率はどれくらいでしょうか?(今度は自分以外のペアも考えます)

50%より高くなるでしょうか?

1年は365日もあるんだから、さっきと同じでほとんどいるわけないじゃん?と思いますよね?

では調べてみましょう。

まず1人の場合は365日どれでもOKなので確率は365/365=1となります。

次に2人の場合を考えます。

まず誕生日が違う確率を求めます。

2人なら誕生日が違うのは1人目が選んだ1通り以外の364通りですよね?

よって誕生日が違う確率は364/365

よって誕生日が一致する確率は1ー364/365となります。

3人の場合は?

3人の誕生日がすべて異なる確率は2人目が1人目と違い、かつ3人目が1人目と2人目どちらとも違うということです。

2人目は1人目と違う364通りから選び、3人目は1人目、2人目と違う363通りから選ぶことになります。

つまり確率はそれぞれ364/365、363/365になります。

そして同時に起こるので掛け算して364/365*363/365となります。

よって少なくとも2人が一致すればいいので、これを余事象の考えで1から引いて1ー364/365*363/365となります。

勘のいい方はお気づきだと思いますが、これを繰り返していくと分子が1ずつ減っていき

一般にn人のとき確率は

1-364/365*363/365*・・・*(365ーn+1)/365

となります。

nが40のときは40を代入して確率は約89%となります。

え?9割もいるの?さっきと逆じゃん!

そうなんです!さきほどは自分と誕生日が一致する確率は1割(一致しない確率が9割)でしたが、自分だけと限定せずに

誕生日が同じペアがいる確率を調べるとなんと9割なんです。

さて、最後に2つ目の例で人数が変化するとどうなるか調べてみましょう。

先ほどの計算を高校数学の記号を使ってみると

1-365Pn/(365)^nとなります。

このnをいろいろ変化させればよいことが分かります。

以下が実際やってみた表です。

5人 2.7%

10人 11.69%

15人 25.29%

20人 41.14%

25人 56.86%

30人 70.63%

35人 81.43%

40人 89.12%

45人 94.09%

50人 97.03%

・・・

80人 99.99%

5人ではほとんど存在しませんが、20人から急に増え始め30人で70%、50人で97%

となっています。

そして80人ではほぼ100%の確率で誕生日のペアが存在することになります。

いかがだったでしょうか?

自分と同じ誕生日の人がいる確率と、自分とは指定しないで誕生日が同じペアがいる確率。

似ているようで確率は全く違う結果になってしまいました。

やはり自分だけと限定するのとそうでないのとでは選択肢の数が大きく異なるので(実際誰と誰がペアでもいいなら可能性はかなり多くなる)

結果がかなり違うものになったと思われます。

②次にハゲ頭のパラドックスというものを紹介します。

タイトルだけで笑いそうですね。

これはこういう主張です。

髪の毛が0本の人は問答無用でハゲである。これは皆さん認めますね。

ではこの人に1本毛を生やしてみましょう。これでもまだハゲですね。

そしてこの人の髪の毛の本数がk本のときハゲとする。するとこの人に1本足したところでハゲであることに変わりはない。

よって数学的帰納法によりすべての人はハゲである。

人類みなハゲということですね。

③似たようなものに砂山のパラドックスというものもあります。

砂山はたくさんの砂粒でできています。

ここから1粒取り除いてもそれは砂山のままだということはわかります。

よって最後の1粒が残った状態でも砂山となります。

しかし、仮定から砂山はたくさんの砂粒からできていないといけないので矛盾します。

これはどこからがハゲなのか、どこからが砂山なのかということが曖昧で明確に定まっていない

ことからきています。

③期待値無限大である賭けのパラドックス

この世の中にいくら払っても儲かる期待値無限大の賭けが存在します。

え?早く教えてよ!という声が聞こえてきそうですね。ではお教えします。

それはコインを投げて表が出れば1円もらえ、以降表が出るたびにもらえる金額が2倍になるというものです。

この賭けの期待値は1*1/2+2*(1/2)^2+4*(1/2)^3+・・・=1/2+1/2+・・・=∞

となります。

しかし10回表が連続して出る確率は1/1024でこのときの金額が512円なので割に合わない賭けであることは直感的にすぐ

分かると思います。

実際、この賭けは全然得ではありません。

いかがだったでしょうか?

今回は、いろいろなパラドックスについて紹介しました。

他にもいろいろなパラドックスがあるので機会があれば解説していこうと思います。

世の中にはいろいろな面白いパラドックスが隠れていることがわかりました。

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現在、数の体系は掛け算を足し算より先に計算しますが、もしもこの広い宇宙に高度な文明を持ち、足し算を先にするような星がありその星で新たな代数系をもとにした数学が…

今回は以上になります!ご覧いただきありがとうございました。

参考文献

[1] 数学の面白いこと・役に立つことをまとめたサイト

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