直感に反する数学の面白い問題

こんにちは。

今回は、直感に反する数学の面白い問題についていろいろ紹介していきたいと思います!

1.行きと帰りで違う速度で走ったら、、、?

A君は車を運転するのが趣味です。同じ道を行きは高速道路が渋滞していたので平均時速40キロ、帰りは空いていたので平均60キロで走れました。

さて全行程の平均速度は何キロでしょうか?

答え 50キロ、、、ではありませんよ!

実は48キロとなります。

実際に解いてみましょう。

A君が運転した距離を120キロと仮定します。(40と60の最小公倍数なので割り算が綺麗になる)

行きは時速40キロなので3時間かかり、帰りは時速60キロなので2時間かかりました。

往復は120*2=240キロでこの行程に5時間かかったわけですから

平均時速は240/5=48キロとなります。

2.20mの差で勝ったからといって、、、?

A君、B君、C君の3人が1対1で100m走をする。A君はB君に20m差で勝ち、B君はC君に20m差で勝った。

ではA君とC君が競走すると何mの差がつくだろうか?

答え 36m

え?40mじゃないの?

いいえ違います。

では考えてみましょう。

A君は俊足です。100mを10秒で走るとします。

そしてB君。20mの差ということは10秒で80m走ります。

そしてB君とC君が競走します。

B君は1秒に8m走るので100m走るのに12.5秒かかります。

そしてC君との差は20mですから12.5秒の間にC君は80mしか走れないことになります。

ということはC君は1秒に80/12.5=6.4m走ることになります。

そしてA君と競走すると、A君が10秒走ったときにC君は6.4*10=64m走ることになります。

つまり差は36mとなります。

3.謎の電子レンジがある。このレンジはある食べ物を温めるのに500wで3分、1500wで1分

かかるという。さて1000wでは何分かかるだろうか?

2分ではありませんよ。小学校で習うアレを使います!

答え 1分30秒

小学校で習った反比例の式y=a/xを思い出しましょう。

500wで3分、1500wで1分、何かに気づきませんか?

そう、これはワット数と分数を掛けたら1500になっているのです。

つまりxy=1500という式になります。これは反比例の式です。

この式に1000を代入してy=1.5、つまり1分30秒が答えになります。

4.車が通る確率

ある道路では30分以内に95%の確率で車が通ることがわかっています。

さてこの道路で10分以内に車が通る確率はどれくらいでしょうか?

答え 約63%

え?95%の1/3で32%くらいじゃないの?

いいえ違います。

ではこの問題について考えてみましょう。

10分以内に車が通る確率=1-(10分以内に1台も通らない確率)

ということになります。

余事象の考えですね。

1台だけとは言っていないのでこうなります。

さて、30分は10分×3ですから30分以内で車が通らない確率5%=

”10分で車が通らない”を3回繰り返したということになります。

つまり求める確率をXとすると、X^3=0.05

これを解いてX=0.37となります。

よって10分で車が通らない確率が0.37なので

10分以内に車が通る確率は

1-0.37=0.63となります。

5.地球にぴったりひもを巻く。この状態でひもを地球から1m浮かせるには何mのひもが必要か?

答え 約6.28m

地球の半径は6400kmもありますから、想像より意外と短いですね。それでは見てみましょう。

まず地球の半径をrとすると、最初のひもの長さは地球の円周分だから

2πrとなります。

そして1m浮かせた時の周の長さは

2π(r+1)

よって2π(r+1)ー2πr=2π

となります。

ここで重要なのは1m浮かせるのに必要なひもの長さは地球の半径に

依存しないということです。

rが式に入っていないのでrは関係ない、つまりrに依存していないことが

わかりますね。

つまり地球の半径が1kmだろうが1万kmだろうが

ひもは6.28m必要ということです。

逆に地球にぴったりひもを巻いてから1m足すと何m浮くでしょうか?

地球の半径をR、浮いた長さをrとします。

2π(R+r)=2πR+1

左辺は地球の半径と浮いた長さの合計を半径として周の長さを出していていて、右辺は結局地球の長さに1m足しただけという式

を立てています。

よって2πr=1となり、

r=1/2πとなります。

これもrが入っていないのでrに関係ない式となります。

つまりピンポン玉だろうが、地球だろうが、約15cm浮くということです!

直感的には長いものに巻いた方が浮かないイメージですよね?

個人的になんかすごく不思議な感じです。

6.確率の勘違いー確率1/10は10回に1回必ず起こる?いいえ違います。

よく、明日の降水確率は10%ですって言われたら10回に1回は必ず雨が降ると思っている

方も多いかもしれません。しかしそれは違います。

勘違いされている方の考えですと、たとえば降水確率10%の日が9回あっていずれも雨が降らなかった場合、次は必ず雨が降る

ことになりますが、そうではないことは容易に想像がつくでしょう。

だって雨が降る確率はいつでも10%です。

降水確率が10%とは降水確率10%の日が10回、100回、・・・10000回と増えていくにつれて

雨が降る日が1割に近づいていくと言っているのです。

もっとわかりやすい例ですとサイコロで1の目が出る確率は1/6ですが、運のいい人は1回で1を出すかもしれませんし

運が悪ければ10回振っても出ないかもしれません。

そういう運の要素を排除して1000回、10000回と振っていくと1の目が出る割合が1/6に近づいていく

ということなのです。

7.ガチャで当たりが出る確率について

皆さん、コンプガチャに興味はありますか?

いろんなレアキャラやポケモンのカードなどマニアにはたまらないカードやアイテムがたくさんありますね。

ガチャのレアキャラやレアアイテム狙いはいいですが、お金を注ぎ込み過ぎないように注意しましょう。

私も近鉄のトレーディングカードにだいぶお金を注ぎこみましたが、あれはランダムではない可能性もありますね個人的に。

というわけでこのコンプガチャと確率について検証してみます。

私は近鉄トレインズのカードを購入したことがあります。

11枚のカードをコンプリートするために計20枚買ったのですが、7枚にしかなりませんでした。

つまり4枚は全部かぶっていたのです。

9枚や10枚ならともかく7枚しか出ないなんてあるのか?と思います。

実際に計算してみましょう。

これは相当難しいです。私もどう解けばいいか全く歯が立ちませんでした。

まずコンプガチャとは次のようなものです。

1回ガチャを行うと1つ景品がもらえます。

n種類の景品があってどの景品も当たる確率は同じ、つまり1/nの確率で当たります。

同じ景品が連続して当たることもあります。

上記の条件のもとでn個すべての景品が揃う確率を求めてみます。

計算

k種類持っている状態で新たに1種類ゲットするのにかかる回数をX(k)とおきます。

求める回数はN=E(X(0)+X(1)+・・・+X(n-1))です。

ここで期待値の線形性からN=Σ(k=0~n-1)E(X(k))となります。

あとはE(X(k))を求めればよいことになります。

X(k)=mとなる確率はm回失敗して次に成功する確率なので

(k/n)^m*(1-k/n)

よって期待値E(X(k))は

E(X(k))=Σ(k=0~∞)m*(k/n)^m*(1-k/n)

となります。

これは1+2r+3r^2+・・・+=1/(1ーr)^2

を用いると、この式でr=k/nとおけば、E(X(k))になるので

E(X(k))=1/{1-(k/n)}^2*(1-k/n)=1/(1-k/n)=n/n-kとなります。

よって

N=Σ(k=0~n-1)=n/n-k=1+n/(n-1)+n/(n-2)+・・・+n=n(1+1/2+・・・+1/n)

となります。

さて、私の場合、11種類ある近鉄トレインズのガチャを20回引いたとき

全部そろう確率を[4]のサイトで計算してもらうと

なんと45%!

え?2倍近く引いてるのに50%もありません。嘘?!

しかも30回引いても60%程度であることがわかりました。

恐るべしコンプガチャ。

こんなの絶対ダメでしょ。最初からコンプセットで売るべきです。

あとよくやったのが造幣局の記念金貨の当選率を高めるためにハガキを100枚出したりもしてました。

造幣局の記念金貨は天皇に関するものが多く、だいたい倍率が30倍とか高いときは50倍にもなる人気商品です。

倍率が30倍が一般的な記念金貨の倍率ですから、このとき倍の60枚出したら当選する確率はどれくらいか考えてみましょう。

少なくとも1枚当選する確率=1ー(1枚も当選しない確率)

仮にハガキの枚数を1000枚とします。

当選数は33枚です。

1枚も当選しないのは33枚すべてを1000-60=940枚から選ぶ場合

1-(940/1000)(939/999)・・・(908/968)=1-0.127=0.873=87.3%

解説 ハガキを引くたびにハズレが1枚ずつ減っていき、またハガキの総数も1枚ずつ減っていきます。

このような試行を独立でない試行と呼びます。

そして()の中の分数はほぼ0.94とみなしてよいので、0.94で計算しました。

当選倍率の2倍の枚数を出すと、約87%の確率で当選することがわかりました。

私は東日本大震災、令和即位金貨の両方でハガキを80~100枚出して2つとも当選しています。

まあ過去の倍率から確率論を使って何枚ハガキを出せば9割ほど当たるかを見て倍率を高めの50倍

と予想して100枚出しています。

いかがだったでしょうか?

今回は直感に関する数学のいろいろな問題について解説しました。

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現在、数の体系は掛け算を足し算より先に計算しますが、もしもこの広い宇宙に高度な文明を持ち、足し算を先にするような星がありその星で新たな代数系をもとにした数学が…

今回は以上になります!ありがとうございました!

参考文献

[1] おすすめの数学クイズ傑作20問題まとめ!算数レベル〜超難問

[2] 地球にロープを巻きつけて

[3] 数学講師が「ガチャ」から考える「直感に反する確率」

[4] コンプガチャの期待値計算機

[5] 反復試行の確率・独立試行の確率とは?公式や見分け方

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