大学数学の分野を紹介します。

こんにちは。今回は、大学数学の分野を紹介していきます。

まずは分野の一覧から。(細かい分野名は省略して、大きな枠組みを紹介します)

大学数学には大きくわけて

代数学

解析学

幾何学

統計学(数学者によっては統計学を数学と認めない人もいます)

の3つ(4つ)の分野があります。まずは代数学について説明します。

大学数学の分野のうちの代数学とは、皆さんが小学校以来親しんできた足し算や掛け算を抽象化した世界で主に群・環・体などがあります。群は演算が一つだけの世界で環と体が演算が2つの世界です。環では割り算以外の演算は可能で、体は四則演算全部が可能です。

ここで、え?演算が2つしかないのに四則演算全部できるの?四則演算は4つの演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)なのに?と思われた方、するどいですね。

確かに演算は4つなので足りないように思いますが、本質的に必要なのは足し算と掛け算の2つです。なぜなら引き算はマイナスを足す、割り算は逆数を掛ける操作で実現できるからです。

大学以降の数学ではこのように本質的に必要なものだけ取り出してそれについて定義を与え、それについての性質を調べるという方向性になっています。

このうちの群について少しだけ説明します。

まずGという集合があります。Gが群という特別な集合になるためにはまずGに二項演算・が定義されていて(a,b∈Gならa・b∈G)、結合法則(任意のa,b,c∈Gに対して(a・b)・c=a・(b・c))、単位元の存在(ある元e∈Gがあってe・a=a・e=aとなる)、逆元の存在(あるa'∈Gが存在して、a・a'=a・'a=eとなる)の3つが成り立てばGを群と呼びます。

群の定義って結構ややこしいですよね。

群の例ですが、たとえば集合{-1,1}は演算を乗法(ふつうの掛け算)とすると群になります。単位元は1で逆元は自分自身です。(つまりー1の逆元はー1で1の逆元は1)

このように乗法に関して群となるときこの群を乗法群と呼びます。

環や体だと演算が2つあるのでそれぞれの演算に対し今の群のような法則が成り立っていないと環や体とは呼べないんです。ちなみに体ですと有限体は結構面白く、1+1=0になることもある世界です。標数が2の有限体F={0,1}で考えると1+1=0となります。小学校以来1+1=2に決まってるじゃんと思っていたのが0になることもあるのです。

代数学とはこのような四則演算等が成り立つ世界で方程式が加減乗除とべき根で解けるかなどを考えていく分野です。ちなみに群論はルービックキューブの解法にも応用されていたりしてなかなか面白いですよ。

大学数学の分野のうちの解析学は、微分積分に関連する分野です。高校時代に習った1変数の微分積分はもちろんのこと、大学では2変数以上の微分積分を扱います。たとえば重積分を使うと4次元の球の体積も求めることができますよ!もっというとn次元でも求まります。(計算はめちゃくちゃ難しいです)

あとは複素数を変数とする複素関数なんかもlog(-1)とかsinx=2と面白い式がどんどん出てきます。また実解析学では今まで扱ったリーマン積分とは違うルベーグ積分について扱います。ルベーグ積分においては積分区間が実数上の区間でなければならないわけではなく、なんと群の上で積分することも可能になってたりします。

大学数学の分野のうちの幾何学については、図形やその周辺の対象について調べる分野です。たとえば有名なところですと、トポロジーではコーヒーカップとドーナツが同じとみなせるって聞いたことありませんか?

あと結び目理論で紐がほどけるかを計算で求めたりなど、難しいですがハマる人はハマりそうな分野でもあります。私は幾何は中学から全くダメなので全然わかりません(笑)

統計学は、予測が難しい出来事に対して過去のデータから推測する分野です。たとえばお店の来店数や銀行の待ち時間など。そして推定・検定ではある事柄がいえるかどうかを統計学的に検証していきます。私は統計は専門ではないのでこれくらいのことしか言えませんが。ちなみに私の専門は代数系の分野の1つの符号理論です。

以上が大学数学の主な分野になります。細かい分野名はたくさんありますが、みなさんが大学の特に数学科に進学された場合にまず絶対に履修するであろう分野について説明させていただきました。

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今回は以上です。お読みいただきありがとうございました。

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